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『わたしの腰痛物語』第十一話


第十一話


SuperPower ~健やかなる時も病めるときも~



私が指導することになった新人は心配性な私と違い、なんでもぐいぐい挑戦するタイプのようだったので、仕事内容を教えて、基本放置、改善した方が良い点を伝える指導スタイルをとった。
入社してわずか2年で指導するとは思っても見なかった。

基本放置のため、何度か大きなミスをしてしまった。
そのたび、いちから説明するのだが、焦るとどうしてもミスしてしまうようだった。

結局その後輩を一人立ちさせるのには7ヶ月もかかってしまった。


7ヵ月かかったのは後輩のせいではない。
私はこの後輩の指導が終わったら4トン車の指導を受けることになっていた。


その時だれに指導されるかわかっていたため、嫌だという気持ちが大きくなり、後輩への指導開始から4か月目で私は精神が病んでしまった。


つねに

死にたい、殺してくれ、死なせてくれ、働きたくない、人と顔会わせるのも嫌だ

そんなことが頭をぐるぐる回っていた。
私がひねくれものでなかったらリストカットもしていたかもしれない。


「手首に傷つけるなんて、私辛いの~、死にた~い、助けて~(チラチラ、ってかまってちゃんかよ、ほんとに死にたいやつはリスカなんかしないでさっさと死ぬんだよ」


と、心の中のもう一人の自分に言われるのだ。

私には逃げる道もなかった。

会社にもどるだけなのに、不整脈のように、心臓がドクドク跳ね回り、呼吸が苦しくなったりもした。

一度会社を休み、心療内科を受診した。
しかし、予約をとっていないという理由で三件断られた。

逃げ道がないだけではない。
助けてくれるはずの医者は飛び入りの困ってるやつは助けない。
親はもともと助けてくれない。

私は三件目の病院の入り口で泣き崩れた。
子供のように声をあげて

少し落ち着いてから親に連絡した。
さようならのつもりだった。



母が仙台の心療内科に連絡を入れてくれて割り込ませてもらえることになった。



グシャグシャの顔のまま30分ほど運転し病院へ向かった。


とても混んでいた。

入り口で簡単なアンケート?を記入し待つ。
人気の病院らしく、一時間半ほど待ち、やっと呼ばれたと思ったら心理テストだった。
ネットでさんざん見た内容。
ネットでやったときは78%うつ病の可能性だった。
心理テストが終わるとまた30分ほどまたされ、診察室に通された。

静かな診察室

先生「運送会社…運転しますか?」

私「はい」

先生「じゃあ薬は出せないので漢方出しときますね」

私「はい」

先生「漢方出しときますね??」

私「はい…あ、終わりですか」

先生「はい」

私「ありがとうございました」


私は心に刻んだ。

医者は困っている人を、免許を振りかざして金を巻き上げる悪魔だ。こんなやつら信用に値しない。

そして、後輩が一人立ちし、私は新たな4トントラックに乗り、指導を受けることになる。

心に闇を抱えたまま



つづく

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『わたしの腰痛物語』第十二話 - 正守式投資あふぃり